サガリバナ。
西表島では6月中旬〜7月中旬ごろにしか咲かない、しかも咲くのは夜のみで翌日午前中には散ってしまうという。
そんなサガリバナに出会いたくて、今年2月にも訪問したにもかかわらずまたまた西表島へと旅立ってしまいました。
早朝4時過ぎ…🌙
辺りはまだ真っ暗。しんと静まり返った漁港の波打ち際にえっちらおっちらカヌーを運びます。
西表島で一番有名な滝”ピナイサーラ”を目指すカヌーツアーはよくありますが、今回はもっともっと奥地にあるパワースポット”ナーラの滝”を目指します。目の前の大海原から先まだ見えないナーラ川へと入り途中サガリバナを見ながら片道2時間強かけて1人でカヌーを漕いでいきます。
辺り一面サガリバナの香しい香りに包まれていました。
いかにも南国といった独特な形をしている花々。
イランイランやジャスミン、または金木犀に似たような濃厚な香りです。
虫たちを惹きつけるため、真っ暗な闇の中で力いっぱいに咲くサガリバナ。
今夜限りの花たちですが、私は不思議とはかなげというよりも、すがすがしさを感じました。
この時を待ちかね、満を持して一斉に咲き乱れる花たちが誇らしげに見えたのかもしれません。
さて、カヌーの旅に戻ります。
紺色の世界を朝陽が照らし始め、水面に映る空はスカイブルーに変化し、白い雲が顔を出し、西表の豊かな山々を鏡のよう映し出す川を3艇のカヌーで静かに進んでいきます。突然水面にザワザワっとさざ波が沸き立ち驚いていたら、ガイドのデトさんが「それ小魚だよ~」と教えてくれました。早朝のこの時間、川の中ではちょうど朝ご飯タイム。大きな魚に追われて小魚が水面を飛び跳ねている光景なんだとか。何度も写真を撮ろうと試みましたが、不安定なカヌーの上で手元にカメラを構えピントを合わせてなんてモタモタしているうちにシャッターチャンスを逃してしまいました。
そんな風に楽しく西表の大自然を満喫していると、一つ、また一つと大きな綿帽子のような白っぽいふわふわ物体が川面に現れだし、さらにこぎ進めていくと・・・!!
まるで夢のような世界がそこに広がっていました。私たちの他に誰もいないこの贅沢な光景を目の前にして出てくる言葉はただ「すごい、すごい」だけ。予想以上のサガリバナの花畑が広がっていました。
この季節、山から流れ込んでくる栄養分が川面を覆うそうで、日によってはサガリバナがその流れにつかまってしまうと、綺麗に澄んだ水面の上に浮かぶサガリバナに出会えないこともあるそう。また、大雨や台風でサガリバナが大量に落ちてすぐに川の中に沈んでしまうと、やはりこのような美しい光景に出会えないこともあるんだそうです。デトさん曰く、ここ数日間で今日が一番きれい、とのこと。
ピンクと白と1つずつ手のひらに載せてみました…本当にふわふわ。心もふわふわ幸せ気分です(#^^#)
更にこぎ進めていくと、デトさんが「ここがGOTスポットだよ」と教えてくれた茂みの中にも入ってみました。カヌー1艇が入れるか入れないかぐらいのジャングルを慣れない舵さばきで何とか侵入。入った先の世界は…
息をのみました。もう言葉になりません。辺りを緑で囲まれた小さな池のような水面に、これでもかというほどサガリバナが埋め尽くされていました。サガリバナの香りがいっぱいに広がって(昨夜感じた香りより明け方の方が爽やかに感じました。個人的には明け方の香りの方が好きかな)、とても現実の光景とは思えません。ジャングルの外で見たサガリバナももちろん素晴らしいのですが、こちらはもう別格です。
時が止まったような世界。
30分ほどでしょうか。夢気分に浸っていたのもつかの間、突然ポツ、ポツ、大玉の雨が降り始めて・・・雨が水面を揺らし始め、サガリバナのお花の中にも雨粒が入って、重さに耐えきれずお花がくるっと向きを変え可愛らしい星型のガクを上にしながら川の中にゆっくりと沈み始めていきました。
やっぱりサガリバナははかない命、でもだからこそ美しいんですね。川底に沈んでいくさままで美しいサガリバナに脱帽です。
さて、残りあと少し。ナーラ川を更に上り、カヌーを岸につけてここからはトレッキングです。
山歩きは30分ほどだったでしょうか。大迫力のナーラの滝が出迎えてくれました。
パワースポットで有名なナーラの滝。美しいです!!デトさんが撮ってくれた写真が後日送られてくる予定なので、滝つぼで遊んだりヨガしたりの写真はまたご紹介するとして…
滝つぼで作ったサーターアンダギーの炙り。表面が香ばしくて美味しかったです♪
雨がひどくなければ滝つぼでいただく予定だったデトさんお手製の八重山そば。滝からまたカヌーで帰ってきて、漁港の近くの公園で頂きました。具だくさんでめちゃくちゃ美味しいっ♪
滝でのことや帰りのカヌーの旅は、また改めてご紹介しますね。それでは(@^^)/~~~