鎌倉時代から続く由緒正しい曹洞宗のお寺です。
そのお寺で行われる大施食会(せじきえ)にて、ヨガを担当させて頂きました。
法要の中にヨガの時間を組み込むという試みは、私にとっても東祥寺さんにとっても初めてのことです。
施食会とはお盆にご先祖様のご供養をする伝統行事で、今年は170名の参列者と20名ほどのお坊さんがお集まりになるという大きな法要となりました。
更に今年新盆を迎えらえる方々にとってこの施食会は特に大切なご供養になります。
深い哀しみの中におられる方々にどのようなヨガの時間を提案したらいいのか。
全員が椅子に座っていて前後幅もお隣同士との間も狭いという環境。さらにご年輩の方やお身体が不自由な方もいらっしゃる中でどんなヨガの時間を過ごしていただいたら良いのか、施食会当日まで何度も練り直し、四苦八苦しながら準備しました。でもこんな機会はめったにないことですし、東祥寺さんが1年の中でとても大切にされている法要行事の一部を私に任せてくださっているというありがたいお気持ちを無駄にすることはできないと思い、50分の寺ヨガを組み立てました。
まず最初にナディショーダナという片鼻式呼吸法で自律神経のバランスを整えながら呼吸をたっぷりと味わい、首肩周りや背中回りを丁寧にほぐし緊張を解いていきました。
後半はヨガニードラ(内観を伴う深いリラクゼーション&瞑想法)と瞑想で自分の内側を感じ、自分を支えつながってくれている存在へ、そして今在る自分に感謝の気持ちを向ける時間。
参列された方々が本当に心温かい方ばかりで、慣れない動きも多かったと思いますが一生懸命に取り組んでくださって、「あぁこれは効くねぇ」「うぅ~気持ちがいいねぇ」という声があちらこちらから聞こえてきたり、皆さんの和やかで優しい空気に支えられて楽しく進めていくことができました。私が毎月参加している東祥寺の坐禅会メンバーのTさんご夫婦も前の方の席で見守ってくださっていて、とても心強かったです。
ご参列者の皆さま、ご住職を始め僧侶の皆さま、施食会を支えてくださった東祥寺の皆さま、今回の準備で色々と相談に乗り練習台にもなってくれた旦那さま、皆さまのおかげで今回の体験は私の大きな宝物になりました。本当に本当にありがとうございました。
仏教もヨガも共にインド発祥、長い歴史の中でお互いに影響し合いながら発展してきたと考えられています。ヨガで使う言葉には仏教の言葉と同じものが非常に多くあることから見ても、お互いのつながりの深さが感じられます。そしてヨガも仏教も「あるがままの本来の自分を見つめる事」を大切に練習(修行)を積んでいきます。座っている瞑想や坐禅の時間だけではなく、ヨガで身体を動かしている時も呼吸に意識を向ける時も、日常生活においても大切にしています。
そして仏道の教えは私たち日本人の中にも深く根付いています。言葉にも、考え方にも、生活にも。先日のリオオリンピック閉会式で日本が東京五輪PRで使った「ありがとう」という言葉も、今回の寺ヨガの準備で「四苦八苦」したとお伝えしましたがこの言葉も仏教語。普段ついつい口にしてしまう「どっこいしょ」も仏道の修行で唱える『六根清浄』から来ていると言われています。
このように私たち日本人の中に今も息づいている仏道の教え。現代の日本人は仏教やお寺を縁遠い存在として見ている方が多いように感じますが(私も少し前までそうでした)、お寺や仏教をもっと身近に感じ、先祖代々受け継がれてきた日本人としての自分を見直し理解を深めてみてもいいのかなと思っています。
そして寺ヨガという場が、そんな皆さんとお寺・仏教との距離を縮めるきっかけになったら、お寺でヨガや瞑想を行うことで皆さんの体験がより豊かなものになったら、とても嬉しいなと思っています。
寺ヨガは現在、東祥寺さんの他に白井市の佛法寺さんでも行っています。寺ヨガの詳細はこちら。
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皆さまのご参加を心よりお待ちしております。