中医学の夏の養生
土曜日に立秋を迎え暦の上ではもう秋ですが、まだまだ暑い日が続きそうですね。
我が家のベランダのシソたちも昨日の夜にお水をあげたのに朝起きたらもうみんなうつむき加減、大慌てでお水をあげました。
私たち人間にとっても夏の暑さは自分が思っている以上に身体のエネルギーを消耗させ、睡眠の質の低下や内臓の消化力低下、気力低下も起こしやすくなります。
中医学では夏は陽の極まりと捉えています。
陰と陽の関係性は、車で例えると陰はガソリン、陽はそのガソリンを使って車を走らせるエネルギー。
陽は陰が蓄えられていることではじめて力を発揮することができます。
また、一日のサイクルで言えば、夜は陰、昼間は陽。陽が陰のエネルギーを消耗し過ぎてしまうと、寝つきが悪い、熟睡できず夢ばかり見る、途中で起きてしまう等睡眠の質に影響が出やすくなると言われています。
睡眠不足はガソリン(元気の元の)不足、体力も気力も消耗し疲れやすくなります。
そんな夏に養生が薦められる中医学の五臓六腑は心(しん)と小腸。
心は血液を循環するポンプ機能の役割があり全身に栄養を与えます。
また心には、神経や心(こころ)を司り精神を充実させる働きがある為、心の機能が低下すると悩み・不安・心配事が引き金となる睡眠の質の低下、胸が重くなる、胸が痛むといったこころの不調にもつながりやすいと言われています。
一方小腸は胃から送られてきた食べ物を消化し、脾(ひ)の働きによって栄養分は全身へ、不要なもののうち固形物は大腸へ、水分は膀胱へと送られます。
薦められる食べ物は、夏野菜(きゅうり、ナス、オクラ、冬瓜など)、苦み(ゴーヤ、ピーマン、大葉、お茶)、赤い色の食べ物(スイカやトマト等)が良いとされていて、これらの食材は火照った体をクールダウンさせ、水分代謝を促し、胃腸の働きを整えて食欲増進にもつながると言われていますが、特に体を冷やす食材の摂りすぎには注意した方が良いようです。
一方、赤い色のお豆である小豆はビタミンB1を多く含む為、利尿作用だけでなく疲労回復効果も高いと言われています。
じっくり煮込んだ小豆入り夏野菜スープなどは冷房で冷えた身体を温めて内臓も癒してくれるのでおススメです。
暑いからと言って生野菜や冷たいものばかり摂り過ぎると、夏の間だけではなく秋になっても重だるさが抜けない・疲れが取れないなど長引く不調の原因にもなりかねないので注意したいですね。
今年は6月の時点で各地30度越え、40度台の地域も出るほどでその後も暑い季節が長く続いています。
暑さが落ち着くのも平年より遅くなる予報なんだとか。夏の疲れを溜め込まないように、心身をしっかり養生し整えていきたいと思う今日この頃です。
中医学や東洋医学、東洋思想は季節の移り変わりや身体の自然な流れにいかに順応し逆らわずに生きていくことが大切かを示しています。
実際にそのような生活ができている時は心身とても穏やかで、自然の流れに乗る心地よさが味わえ、内側から満たされている感覚を実感することができます。
でも日々忙しく仕事やプライベートに追われているとその大切さをつい忘れてしまいがち。
ヨガや瞑想の練習はその大切さを思い出させてくれる・教えてくれるツール。
マクロビオティックもその東洋思想がベースになっています。
だからこそ私は毎日続けているんだろうなと改めて感じています。
ちなみに、睡眠の質を上げるにはアロマを活用するのも良いですよね♪
ラベンダー、オレンジ等の柑橘系、ゼラニウムやローズウッド・ローズオットーなどのバラ系の香り、私は暑さ対策に清涼感のあるミント系をブレンドすることも多いです。
ご家族が安眠できるお好きな香りなら基本的に何でも良いと思いますが、イランイランやジャスミンなど香りが強いものはほんの少しの量で試すことをお勧めします。
男性やお子様にはフローラル系よりも柑橘系や清涼系の方が受け入れやすいかもしれませんね。
まだまだ続く暑い夏。
上手に楽しく元気に乗り越えていきましょ🍉